お線香と蝋燭をお供えする意味とは?

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近年、ペットちゃんとご家族様の距離が近くなり、連れ添ったペットちゃんのご供養をご自宅で行うご家庭が増えています。お家の中にお仏壇を置き、手を合わせて供養していくことで、天国のペットちゃんもきっとお喜びになりますね。その際に仏壇共に揃えたい仏具やお供えものですが、何を用意したら良いのだろうと迷う方もいらっしゃるでしょう。

人の場合、仏壇には「灯華香飯(とうげこうはん)」と呼ばれるお供えものを用意するのが基本となります。「灯」は灯明(=蝋燭)、「華」はお花、「香」はお線香、「飯」はご飯のことです。中でも蝋燭とお花、お線香は「香華燈燭(こうげとうしょく)」と言われ、必要な不可欠なものとされています。仏具もこの香華燈燭に合わせて「三具足(さんぐそく)」と呼ばれる、燭台、花台、香炉は仏式に欠かせない道具です。

ではペットちゃんの場合はどうしたらよいのでしょうか。
実は、ペットちゃんのご供養方法には特に決められたルールがなく、仏具やお供えものも必要とされているものはありません。ご家族様の考えるご供養スタイルで良いのです。
とは言っても何か判断する材料があるに越したことはないですよね。

この記事では、仏具や供養品の中でも「お線香」と「蝋燭」について、お供えする意味や歴史、作法、ペットちゃん用に販売されているものなどについて紹介をしていきます。

お線香をお供えする意味とは?

なぜ「お線香をあげる」のか?

お線香をあげることには、主に3つの意味合いがあります。

1。「お線香の香りは亡くなったペットちゃんのご飯になる」
仏教の経典である「倶舎論(くしゃろん)」に、「生前に良い行いをした者は良い香りを食べる」というような記述があります。仏教では亡くなってから四十九日までの間、魂はこの世とあの世をさまよっていると考えられていて、その間おなかが空かないようにお線香をお供えします。これを「食香(じきこう)」と言います。四十九日が終わった後も亡くなったペットちゃんの「ご飯」ですから、朝と晩にお供えすると良いでしょう。

2.「身を清める」
お線香の香りには、お線香をあげる人の心と体、その場をお清めするとされています。この考えは仏様が、日常でいつの間にか汚れてしまった心を清めるためにお香を焚くよう説いたからだと言われています。亡くなったペットちゃんに挨拶する前に、身と心を清めましょうということなのです。

3.ペットちゃんと「心を通わせる」
お線香の煙は、あの世とこの世をつなぐ橋渡しになると考えられています。四十九日を迎えた後、ペットちゃんはあの世へ旅立ちます。お線香をあげることで、天国のペットちゃんと煙を通じて心をつなげ、手を合わせて対話ができるということなのです。

お線香の種類

お線香には、主に「匂い線香」「杉線香」の2種類があるのをご存知でしょうか。種類によって使い分けるとお供えする際に役立つかもしれません。
匂い線香はその名の通り、良い匂いがするお線香です。椨(たぶ)の木の皮を原料に、沈香(じんこう)、白檀(びゃくだん)などの香りの強い木や香料を調合して作られ、一般的に広く使用されています。煙が少ないため、マンションなどの環境で好まれます。
杉線香は杉の葉を粉末にしたものを原料に作られ、杉の独特の香りがあり、煙が多く出ます。主に外で利用され、寺院での行事やお墓参りの際に使用されます。

ご自宅でお線香をあげる際のお作法

ご自宅のお仏壇に向かってお線香をあげる際のお作法について、簡単にご紹介します。厳格に守る必要はありませんが、知っておくことで、ご供養する際の気持ちも少し変わるのではないでしょうか。

①左手にお数珠を持つ。
②お仏壇の正面に座り(もしくは立って)、一礼をして合掌。
③ろうそくに火を灯し、お線香に火をつける。
④お線香に煙が出ていることを確認する。
⑤香炉にお線香を立てる、もしくは寝かせる。
⑥「おりん」を一度鳴らし、合掌。
⑦仏壇に一礼。

注意したいのは、お線香に直接ライターから火をつけないようにしましょう。手で仰ぐなどをして消すのがお作法になります。

蝋燭をお供えする意味とは?

なぜ蝋燭を仏壇に供えるのか?

先ほどお線香に火をつける際のマナーで蝋燭を使うことをお伝えしました。こちらも蝋燭を使用する理由の一つですが、お供えする意味とは別のところにあります。お供えの蝋燭は特に「火」が大切なポイントです。

1.ペットちゃんの「道しるべ」
蝋燭の灯りはあの世とこの世の架け橋になっています。四十九日までの期間はペットちゃんが迷うことなく浄土に行けるように火を灯します。お盆やお彼岸の時期には現世に帰って来られるように、火をつけて灯してあげましょう。

2.「仏様の光明で煩悩の闇を消す」
仏教ではお仏壇に供える火ことを「灯明(とうみょう)」と言います。この光は仏様の「智慧(ちえ)と慈悲(じひ)」象徴しているとされています。蝋燭に火を灯すことで仏様の導きを受け、邪念や煩悩の闇を明らかにし、その穢れを祓い浄めるとされています。お仏壇の周りが明るくなり、ペットちゃんがよりご家族様を見えやすくすると言われています。日々蝋燭を灯してあげることで、ご家族様が「ここにいるよ」の合図になります。

3.「命を象徴する」
蝋燭には様々な長さや太さのものがあります。この大きさの違いから生まれる火の付き方の違いを、昔の人は命に例えるようになりました。蝋燭の火はお供えする人の命を託して、亡くなったペットちゃんと出会えるようにするという意味があります。

蝋燭の種類

蝋燭には「和ろうそく」「洋ろうそく」「電気(LED)ろうそく」の3つの種類があります。用途やご自宅に合わせて選ぶことができます。
「和ろうそく」は油煙が少なく、お仏壇やお部屋が汚れにくいのが特徴です。万が一汚してしまっても拭き取りやすいというのがポイントです。火持ちが良いため長く使えるメリットもあります。
「洋ろうそく」は一般に出回っているほとんどの蝋燭が該当します。100円ショップなどでも手軽に購入ができるため、お仏壇での普段使いに向いています。
「電気(LED)ろうそく」最近では火を使わない電気式のろうそくが販売されるようになりました。火の消し忘れや不始末で惨事になることを防ぎます。高齢の方がいらっしゃる場合や小さいお子様がいるご家庭でも安心して使用ができます。

蝋燭を供える際のお作法

蝋燭をお供えで使用する場合、火の消し方に注意しましょう。息を吹きかけて消すのはマナー違反になります。手で仰ぐ、または親指と人差し指でなでる、仏扇を使うなどの方法を取りましょう。

ペットちゃんのご供養を続けること

ペットちゃんのご供養をご自宅または霊園で続ける方は半数以上

1 お線香と蝋燭をお供えする意味とは?

近年のペット需要の増加と共に、日々の生活の癒しの存在としてペットちゃんたちは大切な家族の一員として育てられるようになってきました。そしてペットちゃんが亡くなった後も、ご自宅や霊園でご供養をしたいというご家族様は犬ちゃんや猫ちゃんを飼われていたご家庭では半数以上に上ります。

ペットちゃんのご供養を心を込めて行うために

ペットちゃんの存在の大きさは、ご家族様が十分に感じていることと思います。ペットちゃんが寿命を迎えた後、「ありがとう」の気持ちをたくさん込めて供養をしていきたい、そのためにお墓やお仏壇を用意したいと決められるご家族様は多いのです。
では、いつ、どのようなご供養をするとペットちゃんは喜んでくれるのでしょう。今回ご紹介したお線香と蝋燭の役割も含めながら、年間スケジュールの一例をご紹介します。”

ペットちゃんを供養していく年間スケジュール

四十九日…お墓や納骨堂に納骨する。ご自宅に迎えたい場合は分骨にする。
お盆…ペットちゃんが迷わず帰ってこれるように、蝋燭の明かりで道しるべを作る。
お彼岸…春と秋は食べ物が美味しいです。ペットちゃんの好物をお供えすると良いでしょう。
月命日…好物を用意して、お線香と蝋燭をお供えしていつもより長く語りかけてあげましょう。
年末年始…新年を迎える前にお仏壇や手元供養周りを綺麗に掃除し、お花などを飾ってあげましょう。
お誕生日…亡くなっても、ペットちゃんの特別な日です。好物をお供えしてあげましょう。
日々…お線香はご飯、蝋燭はここにいるよの合図です。毎日お供えしてあげましょう。

ペットちゃん用のお線香と蝋燭を用意する

人間用のものと一緒に使ってもいいの?

ここまで主にお線香や蝋燭をお供えする意味についてご紹介しました。ではペットちゃん用に用意しようと思ったとき、人間用のものと一緒にして使用して良いのか迷われるご家族様もいらっしゃるかもしれません。特に故人様のお仏壇が置いてあるご家庭では、気になるところですよね。

仏教の教えでは、人間と動物は住む世界が違うと説かれており、同じ形式で供養するのはふさわしくないと考えられています。しかし近年では昔と違い、ペットちゃんとご家族様の関係が親密になりました。この背景から現代では寛容な考え方に変化してきています。

実際、人間用のお仏壇や仏具をペットちゃんと合わせてお使いになるのは、ご供養方法としていけないことではありません。例えば故人様とペットちゃんが生前とても仲が良かったのであれば、お互いに嬉しいかもしれません。
もちろん、ペットちゃん専用にお仏壇や仏具を用意するのも良いでしょう。例えばお仏壇は分けずに一部の仏具だけ分けるという方法もあります。ご家族様がやりやすい方法を取るのが最も良いでしょう。

ペットちゃんと人間のご供養を一緒にするかどうかについてもっと知りたいという方は過去の記事もご参考にしてみてくださいね。

仏具はペット用のみ?人の仏壇で供養はしてはいけないの?経机・3具足はそのまま使用していい?

ペットちゃん専用の仏具はあるの?

ペットちゃん用にお仏壇や仏具を用意する場合、人間用のものをペットちゃん用に使用しても大丈夫です。けれどご家庭によっては人間用のものは少しスペース的にきつかったり、ペットちゃんには仰々しくて似合わないかなという方もいらっしゃるかもしれません。
そのような場合にはペットちゃん用のお仏壇や仏具を検討してみてはいかがでしょうか。ペットちゃん用に販売されているご供養グッズは、小さくてデザインが可愛いものが多いです。種類もとても豊富ですから、きっとピッタリなものが見つかるでしょう。
愛ペットグループでも専用のグッズを販売しています。宜しければ一度見てみてくださいね。

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ペット供養大百科でもこのまま購入が可能です。

この商品の商品ページはコチラ:愛ペットメモリアルSHOP「沢山のおさんぽ」


【香立て付き】お線香ろうそくセット 沢山のおさんぽ
バニラベースの甘い香りは出会いからお別れの日まで、
沢山の大切で幸せな思い出を彩るにはぴったりです。
可愛らしい足跡とお花は天国のお花畑を、
自由に飛び回って遊ぶ様子をイメージしました。


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発送は愛ペットメモリアルSHOPがご対応させていただきます。

お線香と蝋燭もペットちゃん用のデザインのものがある

お線香や蝋燭についてもペットちゃん用の仏具に合わせて小さいものがあります。人間用のデザインのサイズ違いに加え、食べ物の形をした蝋燭やちょっと変わった匂いのお線香などが販売されています。

一例をご紹介
【お線香】
見た目は人間用のものと同じお線香ですが、ペットちゃん用のものはミニサイズでカラフルなものがたくさんあります。匂いもフルーティーな香りやバニラの香り、お花の香りなどのお線香もありますので、ぜひ気になるものを探してみてくださいね。

【蝋燭】
蝋燭はよりデザインが豊富です。果物の形やお菓子の形など見た目も楽しく、匂いがあるものもあります。中にはドッグフードやキャットフードの形をしたものもあるので選ぶのがつい楽しくなりそうですね。また使い切り用により小さいサイズや、LEDタイプのものもあります。用途や環境によって選ぶととても使いやすいでしょう。

 

ペットちゃんのご供養にお線香や蝋燭をお供えしてみてはいかがでしょうか

ペットちゃんにお供えするお線香には「ペットちゃんの食べ物」、蝋燭には「ご家族様がここにいるということを示す合図」の意味があります。亡くなってからもペットちゃんは家族の一員です。日々のご供養でお線香をあげたりや蝋燭を灯すことには、天国のペットちゃんにとっても特別なことなのです。
ただ、お線香は匂いが気になったり、蝋燭は火を扱いますから不始末の心配などもありますよね。そのような場合には、お線香と蝋燭の種類に気を付ければ解決できるかもしれません。お線香は煙の出にくいものを、蝋燭は場合によってはLEDに変えるなどを選ばれると良いでしょう。
最近では、ペットちゃんをお墓やお仏壇でのご供養をされる方が増えてきました。それだけペットちゃんが人との距離が近くなったということです。人間用のお仏壇でのご供養についても寛容に考える方も同時に増えてきています。
ペットちゃんのご供養にはルールがありませんから、お仏壇や仏具についてどうしようかご家族様で決めていくと気持ちの良いご供養ができるでしょう。もしペットちゃん用に用意をされる場合は、ぜひペットちゃん専用に販売されている可愛らしいデザインの仏具グッズを検討してみてください。きっと亡くなったペットちゃんも喜んでくれることでしょう。皆さんの素敵なご供養方法が続いていくきっかけになれば嬉しいです。

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新行内里咲
1990年生まれ、千葉県出身。昔から生き物は全般好きで、友達やご近所のペットちゃんと遊ぶことが多かったです。自身ではメダカを育てていました。将来的は犬を飼うことが夢の一つです。
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