猫ちゃんにワクチン接種が必要な理由

ワンちゃんがよくワクチン接種をする事はご存知の方は多いかと思いますが、猫ちゃんにもワクチンが必要な事をご存知でしょうか。
「うちの子は外に出さないし室内で飼っているから大丈夫」「そもそも猫ちゃんにもワクチンって必要?」などと思われていませんか。
ワクチン接種をする事で大切な猫ちゃんを危険な病気から守ってくれることもあります。
ここでは、何故ワクチン接種が必要なのかを、お話ししていきます。

猫ちゃんのワクチンって何?

 猫ちゃんにワクチン接種が必要な理由
混合ワクチンとは何種類かの病気に対するワクチンが混ざっている注射です。
予防出来る病気の数によって《〇種混合ワクチン》という名称になっています。
室内で飼われている猫ちゃんであれば3種混合ワクチンで大丈夫かと思います。
全ての猫ちゃんに接種を勧めているのが「コアワクチン《3種ワクチン》」です。
生活環境や飼い方《多頭飼い》の、ご家庭に応じて「ノンコアワクチン《5種ワクチン》」と言ったワクチンもあります。ここでは、3種ワクチン・5種ワクチンについてお話ししていきます。

3種ワクチン(コアワクチン)で接種予防出来る病気

《猫伝染性鼻気管炎猫 ヘルペスウイルス感染症(FVR)》

ヘルペスウイルスによる感染症で、鼻水・くしゃみ・発熱など、人の風邪のような症状がみられることから「猫風邪」とも言われます。
【症状は涙や目ヤニが出たり、重症化すると肺炎を引き起こしたりします。子猫や高齢猫が感染すると亡くなるケースがある感染症です。】

《猫汎白血球減少症 猫パルボウイルス感染症、猫伝染性陽炎(FPLV)》

パルボウイルスによる感染症で、下痢や嘔吐など腸炎のような症状がみられます。
また、体を守る白血球が減少することで、免疫力が下がり重症化すると数日間で亡くなってしまうことも珍しくない恐ろしい病気で特に子猫に感染してしまうと75%〜90%の致死率とかなり高くなっています。
【症状は白血球の減少、食欲不振、発熱、激しい嘔吐、下痢などがみられます】

《猫カリシウイルス感染症(FCV)》

猫カリシウイルスが口の粘膜、鼻や喉といった気道に感染することで、鼻水や咳などの呼吸器症状や口内炎を引き起こす病気です。
【症状は風邪の症状や口内炎や舌の潰瘍など、口の中に症状がみられます。口の中の痛みにより食欲の低下やヨダレが出たりすることがあります。】

5種ワクチン(ノンコアワクチン)で予防出来る病気

《猫クラミジア感染症》

猫クラミジアによる感染症で、猫同士の接触や空気伝播により感染します。症状が数週間にわたって長期化するケースが多くみられ、重症化すると肺炎になることもあります。
【症状は、結膜炎、涙や目ヤニ、鼻水や咳・くしゃみといった人間の風邪に似た呼吸器症状が起こります。】

《猫白血病ウイルス(FeLV)感染症》

猫白血病ウイルス感染症は、感染した猫同士との喧嘩や毛づくろい同じ食器を使用するなどの接触感染によってうつる病気です。また、母猫の胎盤を介して胎子に感染するため感染した猫との交配を、させないことが重要になります。
【症状は感染初期段階に全身のリンパの腫れと発熱が起こりウイルスによる直接作用リンパ腫や白血病などの血液の腫瘍が発生しやすくなります。】

《猫免疫不全ウイルス(FIV)感染症(猫エイズ)》

猫免疫不全ウイルス感染症は、猫同士の喧嘩などによってできた傷口からの直接伝播により感染することが多いと言われます。
感染すると、長期間かけて免疫不全症候群(エイズ)を発症させることが知られていますが、発症までの潜伏期間中は無症状のこともあり発症しないケースもあります。
【症状は貧血や腫瘍や体重減少などの症状が起こり数ヶ月で亡くなるケースもあります。】

ワクチン接種を受けるタイミング?

 猫ちゃんにワクチン接種が必要な理由
ワクチン接種前に
・健康状態が良好なときにワクチン接種を受けてあげましょう。
・治療中の病気や服用中の薬などがある場合は事前に、かかりつけの病院の先生に相談をすることです。

《リスクの高い猫ちゃんへは1年に1回のワクチン接種をおすすめします。》

・かなりの多頭飼育
・呼吸器症状の酷い同居猫ちゃんがいる
・ペットホテルなど不特定多数の猫ちゃんがいる空間を頻繁に利用する

《感染リスクの低い猫ちゃんへは3年に1回のワクチン接種をおすすめします。》

・同居猫ちゃんがいない
・同居猫ちゃんはいるが呼吸器症状がない
・ペットホテルなど、他の猫ちゃんがいる場所を利用することは全くない

個体差はありますがワクチンを接種して2週間ほどで抗体ができると考えられています

ワクチン接種後に

ワクチン接種後、副反応が出る場合があります。接種後の猫ちゃんの様子をよく観察できるよう、ご家族の時間的に余裕がある日にワクチン接種をお勧めします。なぜならば副反応は接種後24時間以内に症状が現れることが多いからです。
・接種後、異常を発見した場合は早急に動物病院へ受診または相談をする。
・接種後1 週間程は安静にして猫ちゃんのストレスを避け、様子を注意深く見てあげること。
・ワクチン接種後は猫ちゃんを興奮させず、激しい運動も避けるようにしましょう。
・ワクチン接種後 週間はシャンプーをしないようにしましょう。
ワクチンの種類にもよりますが、 接種後、免疫が作られるまでには2 週間~ 4週間かかります。

ワクチン副反応に注意

 猫ちゃんにワクチン接種が必要な理由
ワクチン接種後、即時型アレルギー反応の一つにアナフィラキシーショックがあります。非常に重度であるため猫ちゃんの体内に抗原物質が取りこまれてから数分~数十分以内に蕁麻疹や呼吸困難、チアノーゼ、嘔吐、血液低下などがみられショック状態に陥ることもあり以下の症状が見られます。
・顔面の腫脹
・皮膚の痒み、蕁麻疹
・嘔吐、下痢
・発熱、元気消失
・呼吸困難、虚脱
・注射部位に肉腫の発生
【副反応の発生率は10万分の1から100万分の1程度です】
副反応が出てしまったら猫ちゃんの命にかかわるケースもあるため、迅速な処置が必要です。早急に動物病院で診てもう必要があります。

最後に

-1 猫ちゃんにワクチン接種が必要な理由
大切な猫ちゃん健康に長生きしてほしいですよね。ワクチン接種を受けても完全に病気を防げる事は出来ませんが、病気を発生しても軽症にも繋がることもあります。
その子だけでなく他にも猫ちゃんを飼われている方もいらっしゃるかと思います。病気をうつすリスクの軽減にもワクチン接種を検討してみてはいかがでしょうか。

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沼波恵美
自分自身も大好きなペットに囲まれて過ごしていますが、その気持ち、愛情をもって葬儀、お見送りのお手伝いをさせて頂きます。
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