亡くなる前のサインを見逃さないで【最期を看取るために知っておきたいこと】

ペットちゃんは家族の一員として長い時間を共に一緒に過ごし、愛情と絆を築いてきました。
ペットちゃんの最期のサインを見逃さないようにすることはとても大切です。
ペットちゃんは私たちと違い、体の痛みや不調を言葉で伝えることができません。
様々なサインや行動で私たちに伝えようとしています。
ペットちゃんの体の状態を理解することが大切です。
ここでは亡くなる前のサインを見逃さないで
【最期を看取るために知っておきたいこと】を、お話していきます。

シニア期に入ったら気をつけること

 亡くなる前のサインを見逃さないで【最期を看取るために知っておきたいこと】
ワンちゃんや猫ちゃんのシニア期は、年齢によって異なることがあります。
一般的にはワンちゃんの場合、7歳以上から、猫ちゃんの場合は10歳以上からシニア期とされています。
シニア期には体や健康の変化が現れることが多いため、年齢に合わせたケアや注意が必要になります。
身体的な変化としては、関節のこわばりや筋力の低下、代謝の低下、視力や聴力の低下などがあげられます。また、シニア期にはさまざまな病気や健康問題が出てきます。一般的な病気としては、関節炎、心臓病、腎臓病、糖尿病、癌などがあります。
シニア期を向かえたワンちゃんや猫ちゃんに、どのようなケアが必要があるのかを、お話ししていきます。

適切な食事

シニア用の栄養バランスのとれたフードを与え、体重管理や関節の健康、内臓のサポートを行います。

定期的な獣医の診察

シニア期には健康状態のチェックが重要です。定期的な健康診断や血液検査、必要に応じたワクチン接種を行いましょう。

適度な運動

体力や関節の状態に合わせて、適切な運動をします。筋力や関節の健康を維持するために重要ですが、ワンちゃんや猫ちゃんへの負荷のかけすぎには注意しましょう。

快適な環境

シニア期のワンちゃんや猫ちゃんには、快適な場所や休息スペースなどを準備し、ストレスを軽減してあげることが必要になります。温かい場所や低い段差、滑りにくい床など、安全で快適な環境作りをしてあげましょう。

心のケア

シニア期には行動や性格の変化が見られることがあります。
愛情やコミュニケーションやスキンシップを通じて安心感を与え、ストレスを与えないように注意してあげましょう。
ワンちゃん猫ちゃんのシニア期のケアはとても重要です。健康で快適なシニアライフを過ごせるように、しっかりとケアをしてあげましょう。

亡くなる前に見せる症状

 亡くなる前のサインを見逃さないで【最期を看取るために知っておきたいこと】
ワンちゃんや猫ちゃんが亡くなる前に見られる症状は、個体によって異なる場合があります。
以下に一般的な症状などを、お話ししていきます。
ただし、これらの症状が現れているからといって必ずしも最期が近いことを意味するわけではありません。
動物病院での診断をお勧めします。

ワンちゃん

 亡くなる前のサインを見逃さないで【最期を看取るために知っておきたいこと】
ワンちゃんは亡くなる直前にサインを出すことが多いと言われる動物です。
以下の兆候が見えてきたら、慌てず寄り添って看取ってあげることが犬ちゃんにとって安心し大切な事です。

下痢や嘔吐をする

元気なときは閉じていた肛門が、亡くなる前は力が入らなくなり閉じなくなります。
そのためお尻から便が流れ出ることも少なくありません。
また、嘔吐してしまう場合もありますので体が汚れないように、ペットシートなどを敷いてこまめに拭いてあげましょう。

体温が下がる

ワンちゃんの平均体温は38~39度と人よりも高い温度です。シニアになるとだんだん体温は低くなります。そして、亡くなる直前になると私たちよりも温かかった体温がさらに下がってしまいます。これは体の機能が徐々に停止しているという証拠です。
できるだけ犬ちゃんに寄り添ってあげましょう。

目の力が入らなくなる

ワンちゃんの目にいつもと違った症状【焦点が合わなくなってくる、まぶたが重く目を開けることが出来なくなる】がみえたら死が迫っているというサインかもしれません。
ご家族様がワンちゃんから見えやすい場所にいることで安心感を与えてあげましょう。

痙攣をする

ご家族様の呼びかけに反応しない意識が朦朧【もうろう】としてくると痙攣が起きることがあります。何度も痙攣をしている姿を見ていると、苦しそうで辛い気持ちになることでしょう。しかし、この症状は亡くなる前に見られることが多く、ほとんど意識はない状態と言われます。ワンちゃんの周囲に物を置いている場合は、不意にぶつかってしまわないように片付けておきましょう。

呼吸が乱れる

亡くなる直前、浅い呼吸からだんだん深い呼吸に変わり、その後、無呼吸となる異常な呼吸サイクルを繰り返すことがあります。これをチェーンストークス呼吸といいます。この症状が見られると余命はあと数時間から数分となることが多くなります。ご家族様が、そばにいて寄り添ってあげましょう。ワンちゃんも安心することでしょう。

猫ちゃん

 亡くなる前のサインを見逃さないで【最期を看取るために知っておきたいこと】
猫ちゃんは「亡くなる前に姿を消す」一度は聞いたことがありますよね。
ご家族様に自分が亡くなった姿を見せたくないからだと思っている人も多いかと思います。
実は、猫ちゃんは弱っているときは人の居ない所で体の回復を待つという習性があります。
ここでは猫ちゃんが亡くなる前はどのような行動や変化があるのかを、お話ししていきます。

たくさん甘えてくる

猫ちゃんは亡くなる前になると悟ったかの様に、たくさん甘えてくると言われています。
猫ちゃんが、いつも以上に甘えてきた時は優しくたくさん甘えさせてあげましょう。

ご飯も水も飲まない

亡くなる前に、ほとんどの猫ちゃんは食欲がなくなり水も自力では飲めなくなり脱水症状になってしまうこともあります。
動物病院に相談し必要であればシリンジ等で水を飲ませてあげる事ができます。
慌てず、ゆっくりと猫ちゃんのペースで飲ませてあげましょう。

目がうつろになる

「目に力が入っていない」「目の焦点が合わない」などの症状がみられたら猫ちゃんが安心できるように、できるだけ猫ちゃんが見える場所に居てあげる事で猫ちゃんに安心感を与えることができます。

お漏らしする

いつもトイレでしていた猫ちゃんが、トイレ以外で、お漏らししてしまうトイレの中から出てこずに、そこから動かないというケースもあります。猫ちゃんがベッドなどでお漏らしをしたら体が汚れてしまいますので、なるべく早く汚れを拭き取って清潔を保ってあげましょう。

心拍数の減少

死が近づいてくると心拍数が減少していきます。
猫の胸に耳を当てて心臓の音を聞いてあげましょう。

体温が下がる

猫ちゃんの死が近づくにつれて体温がだんだん下がってきます。
体温が下がっている状態のときは無理に食事を与えると、嘔吐してしまう場合があるので気をつけて見守ってあげましょう。

口呼吸になったら

猫ちゃんは普段は口呼吸をしません。体調が悪い時や死が迫っている時にだけ口呼吸をすることが多くみられます。呼吸の乱れはないかなど意識してみるようにしましょう。

最期にできること

 亡くなる前のサインを見逃さないで【最期を看取るために知っておきたいこと】
ワンちゃん猫ちゃんシニア期・余命を告げられたりすると「この子が亡くなる前に何かしてあげたい」と思われるご家族様も多いでしょう。最期のときを一緒に過ごせるように、ここでは最期にしてあげられることなどを、お話ししていきます。

ワンちゃん

 亡くなる前のサインを見逃さないで【最期を看取るために知っておきたいこと】

一緒に過ごす時間を増やす

ワンちゃんにとって大切な人はご家族様だけです。大好きなご家族様と一緒に過ごす時間は、犬ちゃんにとって幸せな時間です。一緒に過ごす時間を増やすことは犬ちゃんに安心感を与えることができます。

外出する

ワンちゃんの体調が良い時は、散歩やお出かけしてみてもいいでしょう。太陽を浴びたり風を感じたりすることで犬ちゃんもリフレッシュができて嬉しいはずです。
寝たきりでお散歩が出来ない子は、部屋の窓を開けて外の風を入れてあげましょう。ワンちゃんが寝ているベッドごと移動して日光浴させ外の様子を見せてあげるだけでも良い気分転換になります。
夏季は熱中症に気を付けながらおこなってください。

スキンシップをする

頭を撫でてあげたり、体をマッサージしてあげたりしてたくさんの愛情を伝えてあげてください。
もし抱っこができる体調であれば優しく抱き上げてあげましょう。ワンちゃんは何歳になっても大好きなご家族様に抱かれることで幸せな気持ちになり、不安もやわらぎます。大好きなご家族様とスキンシップをとることで安心感を与えることができます。

好きな食べ物をあげる

食事制限がない場合は、大好きな食べ物を食べさせてあげてください。
噛む力が弱っている子には、食べやすいように細かくして食べさせてあげるといいでしょう。

体を拭いてあげる

シニア期に入ると体調が優れず、お風呂に入ることが難しくなる事もあるかと思います。
そのような場合は、濡れたタオルなどで優しく拭いて綺麗にしてあげましょう。
この時に注意すべき事は水ではなく、ぬるま湯でタオルを湿らすことをお勧めします。
刺激の少ないおしりふきを使うのもおすすめですがアルコール成分が含まれる物は避けてください。
汚れやすい部位は、お腹、お尻周り、目、耳、口周り、これらの部位はこまめに汚れているかどうか、確認してあげましょう。
見落としがちなのが肉球(足の裏)も汚れがたまります。唯一汗をかく部位なので肉球のお手入れはやりすぎてもよくありません。
週に1回程度に綺麗にしてあげましょう。

体勢を変えてあげる

寝たきりの状態になると床ずれになることがあります。長時間同じ体勢にならないように、体勢を変えてあげタオルやクッション等で保護してワンちゃんの大勢を整えてあげましょう。ネットで検索すると床ずれを防止する介護用マットも販売されています。

猫ちゃん

 亡くなる前のサインを見逃さないで【最期を看取るために知っておきたいこと】
最期とみられる症状が出てきた時は、「何か猫ちゃんのためにしてあげたい」と思うのは、ご家族様なら当然のことでしょう。「でも何をしてあげればいいか分からない」という方がほとんどだと思います。
ここでは猫ちゃんに最期にしてあげられることをお話ししていきます。

スキンシップ

猫ちゃんは死ぬ直前になると、目がうつろになってきて見えていないこともあります。
近くで見守るだけでなく、優しく撫でて落ち着かせてあげましょう。
また、無理のない範囲で抱っこしてあげるのも良いでしょう。
甘えん坊の性格の猫ちゃんであれば、抱っこをするだけで安らかな気持ちになれるはずです。
もちろんそっとしておいてほしい猫ちゃんもいるので、性格に合わせてストレスにならない程度にスキンシップをする、声かけにとどめるなど、飼い主様が判断してあげてください。

声をかける

元気なとき自分の名前を呼ばれると喜んでいたはずです。
反応がなくても声をかけられたり、名前を呼ばれたりすることで猫ちゃんは安心しますので名前を呼んであげてください。

好きな食べ物をあげる

食べ物を制限されていない場合は、好きな食べ物をあげましょう。
柔らかい食べ物や手作りのフードやオヤツも喜んでくれるはずです。

ベッドを整える

最期の数日間は動かず寝て過ごすことがほとんどです。
排出物などで汚れてしまった場合は、体を拭いてあげベッドを綺麗にしてあげましょう。
寝たきりになりますと床ずれを起こすこともあるので、クッションなどを置いてあげるのもいいでしょう。

ご家族様が決めておくべきこと

 亡くなる前のサインを見逃さないで【最期を看取るために知っておきたいこと】
ワンちゃん猫ちゃんたちが亡くなった際には最後まできちんと供養することが、ご家族様にとってワンちゃん猫ちゃんたちにしてあげられることになります。
亡くなってから慌ててしまわない様に生前から、ご家族様で話し合っておくことが大切です。
ここでは、ワンちゃん猫ちゃんが元気な時に前もって決めておいた方がいい事を、お話ししていきます。

医療の対応をご家族様で話し合う

万が一の際に慌ててしまい自分自身の決断に後悔されるご家族様もいらっしゃいます。
愛していたからこそ後悔することがあるかと思います。でも自分自身を責めている姿を見るとワンちゃん猫ちゃんたちもきっと心配します。
元気なうちに「延命治療はするのか」「どこで看取るのか」などしっかりご家族様と動物病院の先生と納得できる形で送るためにも、話し合っておく事をお勧めします。

葬儀や火葬方法を決めておく

ワンちゃん猫ちゃんが亡くなってしまった場合、自治体や葬儀業者に火葬を依頼するか、私有地に埋葬して供養する方法がありますが犬ちゃん猫ちゃんやご家族様にとってどのような方法で供養するのがいいのか事前に決めておく事もお勧めいたします。火葬業者に依頼する場合は、事前予約や相談が出来ます。

火葬後の遺骨の供養方法を決める

火葬業者で個別にワンちゃん猫ちゃんをご火葬した場合、遺骨を返骨してもらうこともできます。
供養方法は「お墓を建てる」「納骨堂に納骨する」など人と同じように供養することが出来ます。
また、アクセサリー・オブジェなどに遺骨を納めて身につける供養方法もあります。
この様に供養方法も多様化しています。供養の方法によって火葬方法が異なりますので、事前に、ご家族様で話し合い納骨か手元供養にするのかを決めておきましょう。

最後に

 亡くなる前のサインを見逃さないで【最期を看取るために知っておきたいこと】
日ごろからワンちゃん猫ちゃんの行動の変化にも目を向けてあげましょう。
不安定になり、じっとしていられない様子をみせることもあります。
ご家族様としては、優しさと理解をもって彼らをサポートしてあげ彼らのそばにいて安心感を与え穏やかな雰囲気を作り出すことが大切です。
最期の時には、ワンちゃん猫ちゃんが安心して旅立てるように側に寄り添い、愛情と優しさで包み込んであげてください。
ワンちゃん猫ちゃんは、ご家族様のそばで幸せに過ごせた想い出とともに旅立つことが出来ると思います。

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沼波恵美
自分自身も大好きなペットに囲まれて過ごしていますが、その気持ち、愛情をもって葬儀、お見送りのお手伝いをさせて頂きます。
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