風貌はペルシャ、顔は日本猫のオッドアイのにゃんこ小鉄のお話の続きです。
真っ白なふわふわの毛のこて・・・
最後の時は、そのふわふわな毛もやせて、体もがりがりになっていました。
小鉄を看取った後、体をきれいにしてあげる為に
私は小鉄を抱いてゆっくりとお風呂場へ行きました。
普段ならグルーミングする事を考えて舐めても大丈夫なものを
使っていましたが、
この時は、私の好きないい香りのするソープで体を洗いました。
きれいに洗って、タオルで拭いてドライヤーで乾かし、
せっせと小鉄の世話をしている最中にも、
小鉄が亡くなる瞬間の事を思い出しては、泣いていました。
『小鉄 もういいよ』
そう言った後、息を引き取る時の小鉄のきれいな目から
生気の色が失われていく様子が、鮮明に頭に蘇るんです。
何度も何度も・・・
綺麗なふわふわの毛になった小鉄をベッドに寝かせ、
そこから私は離れる事ができないまま、丸2日を過ごしました。
どういう、2日間を過ごしたか覚えていません。
ただ、ずっと小鉄を撫でていたような気がします。
今思えば、こんな自分がいるなんて、
小鉄を失う事になるまでは想像もしていなかったんです。
この2日間も時間がただ過ぎていたような、
間隔のない時間だったように思います。
ただ静かに過ぎていく感じでした。
そして、とうとう社長たちが見るに見かねて迎えに来ました。
それは、小鉄との別れが否応なくやってきた瞬間でした・・・
『小鉄も頑張ったやろ』
『頑張って最後に北治にさよならをしてくれたんやろ』
『もうそろそろ小鉄を空へ帰してあげよう』
『いつまでも、このままの姿を小鉄は喜ばない!』
『皆で、火葬をしてあげよう!』
『みんな一緒だから、火葬をしてあげよう!』
本当にそうだ・・・
私も、しっかりしないといけない。
そうしてやっと『火葬』してあげる決心がついたのです。
寒い雪の日の夜、
社長達に会社まで小鉄と一緒に乗せて頂いて、
愛ペットで火葬しました。
この日、お休みだった中田さんには小鉄にお花をもらいました。
皆でお別れをして末武さんに火葬をしてもらいました。
みんな、本当にあの時はありがとう感謝しています。
火葬の間は、会社で
小鉄の思い出話に花を咲かせながら待ちました、
1時間半程ですがあっという間だったように思います。
経験してみてわかるんですね。
どんなに長い時間でも火葬の間の時間は全然長いなんて思わない・・・。
そういうものなんですよね。
火葬が終わり、小鉄は白い骨になりました。
私、社長、中村さん、末武さん皆んなで骨壷にお骨を入れました。
収骨が終わり、小鉄は小さくなって私の元に帰ってきました。
小さい骨壷を抱いて、やっぱり少し泣きました。
小鉄13年間本当に有難う・・・。
『コテ・・・だいすき、いまも忘れてない、ずっと忘れない。』
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小鉄が亡くなって、小鉄がお骨になって、
小鉄がもう生きて傍にいないのに、私の日常が普段どおりに過ぎていきます。
『これって、本当の事?』
まだ実感が湧かない、自宅に帰ると小鉄がお迎えに
来てくれる事を期待しながら玄関のドアを開ける。
そんな気持ちを抱えながら私は日々を過ごしていました。
当時の、会社の同僚も猫を飼っていて(3匹いました)
私と雑談している際に、自分の猫の話をしてくれるんです。
きっとその話で、
少しでも私の気が紛れたら・・・と
私に気を使ってくれている・・・
分かっているんです。
それなのに、聞いてると胸が痛く、どんどんとつらくなって...
感謝するどころか、反対にそんな話をする同僚が嫌だったり・・・
本当は聞きたくなかった・・・とか
こんな事を考えている自分がもっと嫌で、
何度も心の中で『ごめん』と謝っていました。
同僚の猫・・・セピアな写真
大事な大事な小鉄を失った事で、自分にこんな面がある事に驚きました。
こんな自分が嫌でした。
そんな時を過ごしながら、
忘れたわけではない。思い出さないようにするわけでもない。
でも、重い、暗い、悲しいばかりの気持ちから、
何か吹っ切れたような気持ちになる時が、来るんですね。
私は、約2年程かかりましたけれど、
そのきっかけはアビシニアンの『あみゅ』でした。
新しい家族の運命の出会い。
この子との生活が始まります。
またあみゅの事も書けたらいいなとも思いました。
ご一読ありがとうございました。
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