大切な家族だったペットのお骨を「できれば自宅の庭で供養したい」と考える方は少なくありません。
しかし、法律的に問題はないのか、近隣への配慮は必要なのか、不安を感じる方も多いはずです。
この記事では、ペットのお骨を自宅の庭に埋葬する際の基本的な考え方と、後悔しないためのポイントをわかりやすく解説します。
ペットのお骨を自宅に埋めても良い?

ご自身が所有する私有地の庭などにペットの遺骨を埋葬することは、法律上問題ありません。
亡くなったペットの身体やお骨は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」という法律により、「廃棄物」として分類されます。
冷淡なようにも思える分類ですが、この定義があるからこそ、ペットの自宅埋葬が「所有物を自身の敷地内で管理すること」と認められるのです。
ただし、どのような場所でも埋葬が許されるわけではありません。公共の場所や他人の敷地にお骨を埋める行為は法律違反となります。この場合、以下のような場所が「公共の場所」とされます。
- 不特定多数が利用する公園、広場、運動場、キャンプ場など
- 自然環境保護や管理が行われている河川敷、海岸、砂浜、自治体が管理する山林など
- 公道、歩道、線路沿いの空き地など
また、ご自身が住んでいる場所でも賃貸物件の庭やマンションの専用庭、共有スペースなどに埋葬するのもやめましょう。
ペットの自宅埋葬は、あくまで「将来にわたって自分が管理・所有を継続する土地」であることが大前提となります。
自宅の庭にお骨を埋葬する方法

自宅の庭にペットのお骨を埋葬する際は、単に土に埋めるだけでなく、衛生面や環境への配慮が重要です。ここでは、自宅の庭にお骨を埋葬する方法を解説しています。
火葬後の遺骨を納める
ペットを庭に埋葬する際は、お骨の状態でお納めすることをおすすめしています。ペットの身体が土に還るまでには、想像以上に長い年月を要します。
埋める深さや環境によっては異臭が発生したり、野生動物によって掘り返されるというリスクも。ご自身で管理している広い土地で、埋葬に必要な環境を整えられるという場合以外は、いったん火葬してお骨を庭に埋葬するほうが良いでしょう。
火葬後のお骨はそのまま埋葬しても、異臭が発生する心配がほとんどありません。きれいなお骨の状態で土に還してあげられるので、安心して供養を続けられます。
埋葬場所の選び方
ペットを埋葬する際は、ご自身の管理が行き届く場所のなかから以下のような条件が揃った場所を選びましょう。
①日当たりと水はけが良い場所
湿気が多い場所はカビや変質の原因となります。日当たりが良く、比較的乾燥した場所が理想的です。
②工事や掘り返しの予定がない場所
配管工事や家の増築、カーポートの設置などを行う可能性がある場所は避けましょう。隣家や公道との境目のように、将来的に変化が起きやすい場所も避けたほうが無難です。
自宅の庭に埋葬する方法については、こちらの記事でもご覧いただけますので、是非ご覧ください。
自然に還りやすい方法で埋葬する
ペットのお骨を埋葬するには、土の流出や野生動物の掘り返しを防ぐため、30cmから50cm程度の深さの穴を掘ります。
また、お骨を骨壺やプラスチック製の容器に入れたまま埋めると、土に還ることができません。
自然に還すことを目的とする場合は、遺骨を直接土に置くか、コットンやリネンなど天然素材の布で包んであげましょう。これらの素材は年月とともに土の中で分解されるので、お骨とともに土へ還すことができます。
自宅埋葬をする際に気を付けたいポイント

ペットのお骨を自宅埋葬する際は、周囲の環境や近隣住民の方々への配慮が欠かせません。ここではトラブルを未然に防ぐために気を付けたいポイントをまとめました。
1.近隣住民の感情に配慮する
ペットの埋葬に関する考え方は人それぞれです。なかには「自宅の庭にお骨を埋めること」に対して、心理的な抵抗や不安を感じる人もいらっしゃいます。
静かにペットの供養を続けるためには、近隣住民の感情に配慮して、トラブルを避ける工夫も大切です。
お骨を埋葬するのは、人通りが少なく周囲の目につきにくい平日の昼間や、早朝などの時間帯を選びましょう。
また、お墓だとひと目で分かるような過度な装飾や、大きな石碑を避け、家族や親しい人が見て分かる程度の装飾にとどめることも大切です。
2.土地の境界線や水場の近くを避ける
埋葬場所を選ぶ際は、敷地の境界線や水場の位置を正確に把握しておく必要があります。
隣家や公有地との境界線ギリギリに埋葬してしまうと、将来的にフェンスの設置や外構工事を行う際に、意図せずお骨を掘り起こしてしまうリスクがあります。
また、地下水や井戸水、沢などの水場に近い場所も避けましょう。境界線や水場近くに埋葬したという事実に、心理的な抵抗感や水質への不安を覚える方もいらっしゃいます。思いがけないところからトラブルに発展させないためにも、境界線や水場からは十分な距離を取るようにしましょう。
もし家や土地を手放すことになったらどうなる?

ペットの自宅埋葬を検討する際、将来的に引越しや売却などで土地を手放す可能性についても考えておく必要があります。ここでは、不動産取引における扱いや改葬について解説しています。
ペットの自宅埋葬は土地の売買に悪影響を及ぼすか?
不動産取引において、買主が契約をためらうような重大な欠陥や事情を「心理的瑕疵(しんりてきかし)」と呼びます。
心理的瑕疵の基準は「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」に準じていますが、一般的には事件や孤立死などが対象とされています。
これらの基準は基本的に「人の死」を対象としているため、ペットの自宅埋葬が心理的瑕疵に該当する可能性は極めて低いといえるでしょう。
ただし、多くのペットを埋葬していたり、庭の大部分を墓地として整備している場合などは事情が変わってきます。売却に支障をきたすこともあるので、事前に不動産仲介業者に相談しておくことが大切です。
自宅埋葬したお骨を改葬するにはどうすれば良い?
土地を手放すことになった際、埋葬したお骨をそのままにしておくのはしのびないという場合は、「改葬(かいそう)」という選択肢があります。
お骨がまだ形を留めているのであれば、一度掘り起こして専門の業者で再火葬を行い、きれいな状態に戻してから、新たな住まいの庭に埋め直したり、プランター葬に切り替えたりすることが可能です。
お骨が完全に土に還っている場合は、その場所の土を移し替えてお花やシンボルツリーを植える方法も人気です。
自宅埋葬以外の供養方法
不動産を手放すのをきっかけに、供養のあり方を考え直したいというお声もよく耳にします。広く知られた供養方法として納骨堂での供養や、手元供養が挙げられます。
いずれの場合でも埋葬したお骨を一度取り出すことになりますが、供養の前に再火葬してお骨をきれいにすると良いでしょう。
土のなかにあったお骨には土などの不純物や水分が付着しており、腐敗や傷みの原因になることも。長くきれいな状態を保つためにも、自宅埋葬から切り替える際は、再火葬をおすすめします。
まとめ

自宅埋葬は、亡くなったペットを身近に感じられる供養のひとつです。しかし、実施にあたっては環境への配慮や、将来的な土地の活用、そして周囲の方々の感情まで含めて慎重に判断することが大切です。
将来的に環境が変わった際も、再火葬や手元供養への切り替えといった選択肢があります。
愛ペットグループでは飼い主様のご事情に合わせて、さまざまな供養のかたちをご提案しています。どうぞお気軽にご相談ください。