ペットロスを乗り越えるには?「忘れる」ことをしなくていい。いっしょに過ごした思い出はあなたの一部。

近年、ペットを亡くしたことにより引き起こされるペットロスが問題になっています。
そこで今回は、ペットロスは乗り越えられるのか、ペットを失った悲しみとどうやって付き合っていけば良いのか、について考えていきます。
ペットと暮らす人にとっては、最大の課題と言えるペットとの別れ。
いつかまた笑顔を取り戻すために、ぜひ参考にしてくださいね。

ペットロスについて

②ペットロスについて ペットロスを乗り越えるには?「忘れる」ことをしなくていい。いっしょに過ごした思い出はあなたの一部。

ペットロスって何?

医学的にはペットロス症候群と言い、ペットを失ったことにより引き起こされる、精神的・身体的不調のことを指します。個人差がありますが、大きな悲しみ、喪失感、不眠、食欲不振、息苦しさ、疲労感などさまざまな症状が現れ、重症化すると日常生活を送ることが難しくなってしまいます。
現代ではペットは家族であり、ペット中心の生活を送っている人も少なくありません。
飼い主にとってペットの死は、生きがいや人生の希望を見失ってしまうことに匹敵すると言っても過言ではないのです。

ペットロスが重症化する要因は?

悲しみや後悔などの感情を心の中に押しとどめて、無理をして日常生活を送ったり、周囲の人に悲しみを理解してもらえなかったりすると、精神的・身体的な不安定さが重症化してしまうケースがあります。
とくに親しい友人や家族ですら理解してくれないというような時は、悲しんでいる自分だけがおかしいのかもしれないと、より一層思い悩んでしまうこともあるようです。

ペットロスを乗り越えるには

③ペットロスを乗り越えるには ペットロスを乗り越えるには?「忘れる」ことをしなくていい。いっしょに過ごした思い出はあなたの一部。

ペットを亡くした悲しみは消えない

大切な存在を失ったら、その悲しみはずっと消えることはありません。どんなに時間が経っても、もう会えないという事実は変わらないからです。
それが人であっても動物であっても、心を通わせた存在なら同じです。
悲しみは乗り越えられないけれど、もう会えないと涙するのではなく、また会いたいなと笑えるようになれることを目標に考えています。

4段階を経て日常へ

ペットを失ってから、大きく分けると4段階を経て少しずつ日常に戻っていきます。
まず、ペットのいない生活を受け入れること。亡くなった直後よりも、ペットがいない生活が始まった時が一番悲しく寂しいかもしれません。
次に、ペットともう会えないという現実に向き合います。そしてペットがいない日常に少しずつ慣れ、最後にペットと過ごした日々を思い出にすることができるようになります。
大切な存在を失ったら、なによりも時間が必要です。
元気を出す必要もありませんし、悲しみをこらえる必要もありません。ただ押し寄せる寂しさや虚しさに少しずつ心を慣らすことが大切だと感じています。

ペットの思い出を誰かと共有する

亡くなったペットについて、思い出やエピソードを話してみてください。
悲しいのに、可愛くて楽しい様子をありありと思い出して、なぜだか笑えてくるでしょう。
たしかに自分といっしょに生きていたのだと、しっかりと実感することができると思います。
悲しさや寂しさを分け合うことで、心が少し軽くなるかもしれません。
一人で抱え込まず、感情を言葉にすることが大切です。もし話を聞く立場になったら、何も言わず、ただうなずいて寄り添ってあげるだけで充分です。

ペット供養をしっかりと行う

供養とは、亡くなった魂の冥福を祈り、手をあわせることです。仏教の考え方ですが、ペットを弔う手段として一般的に行われています。
亡くなったペットを偲び、手を合わせて心を寄せる時間は、ご家族様にとっても慰めの時間となります。
火葬して終わりにせず、亡くなったペットと新しい関係性を気づくことが、日常を取り戻すきっかけになるかもしれませんね。

ペット供養大百科 「ペット葬儀はペット火葬じゃないの?供養は別?」

ペット供養では節目の法要を大切に

④ペット供養では節目を大切に ペットロスを乗り越えるには?「忘れる」ことをしなくていい。いっしょに過ごした思い出はあなたの一部。

四十九日と百箇日

亡くなってから49日目に、来世の行先が決まると考えられていて、この日を目安に納骨することが多いです。四十九日を迎えるまでの間、ご家族様は冥福を祈り、喪に服す期間とされています。
百箇日は、ご家族様が日常を取り戻す日です。亡くなってから3ヶ月と少し。ペットの死を受け入れ、少しずつ前を向くためには、時間が必要だということがわかりますね。

お彼岸やお盆の考え方

お彼岸は、春分の日(3月)と秋分の日(9月)の前後3日間を合わせた計7日間ずつのことで、天国のペットと気持ちが通じやすくなると考えられています。お墓や納骨堂をきれいに掃除し、おもちゃやおやつなどをお供えしてあげると良いですね。
春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日と祝日法に定められています。亡くなったペットはもちろんのこと、人の暮らしを支えてくれているたくさんの命にも感謝したいですね。
お盆は8月15日の前後3日間で、亡くなったペットが帰ってくると考えられています。ご自宅でお迎えの準備をしてあげるのも素敵ですよ。ペットのお盆については別の記事で紹介していますので、一度読んでみてくださいね。

ペット供養大百科 「ペットのお盆、人と同じようにしていいの?」

愛ペットには月例法要がある

⑤愛ペットには月例法要ある ペットロスを乗り越えるには?「忘れる」ことをしなくていい。いっしょに過ごした思い出はあなたの一部。
愛ペットグループでは、毎月、住職による月例法要を行っていて、お申込みいただければどなたでもご参加できます。
節目となる法要のときには、お名前の回向や、お花を供えいただくこともできますよ。
愛ペットグループで火葬されていなくても参加いただけますし、現地参加が難しいときには、リモート供養を利用されるのも良いかと思います。
ホームページでご紹介していますので、ぜひご覧くださいね。

愛ペットグループ リモート供養

ペットと過ごした時間を宝物にしよう

⑥ペットと過ごした時間を宝物にしよう ペットロスを乗り越えるには?「忘れる」ことをしなくていい。いっしょに過ごした思い出はあなたの一部。
ペットを失ったことで起こるペットロスは特別なことではありません。
ペットが亡くなるということは家族を失うということですし、自分よりも先に終わる命だと分かっていても、別れは悲しく耐えがたいものです。
ペットロスで辛くてどうしようもないときは、供養を続けながら時間が流れるのを待ってみるのが良いかもしれません。
ふとした時に、可愛くて楽しい子だったなと思えるようになったら、ご家族様にもきっと笑顔が戻ってくると思います。
命は終わってしまったけれど、思い出と絆はずっとそばにあります。いっしょに過ごした時間を大切に、一歩ずつ進んでくださいね。

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岩下ちくわ
大学の農学部で人と動物の関わりについて学び、現在は2匹の元保護犬と暮らす、動物が大好きなライター・ペット栄養管理士です。 犬や猫を初め、動物との暮らしに役立つ情報を、分かりやすくお伝えしていきます。
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