目次
犬はいつごろから日本にいるのでしょうか?
また、ペット供養という言葉を最近よく耳にしますが、昔は弔ってなかったのでしょうか?
今回は、犬と人間の歴史を通じて、犬と人間との絆、犬の供養について考えていきます。
ぜひご一読くださいね。
犬と人間の歴史
犬は日本最初の家畜
じつは犬は世界で初めて家畜化された動物で、縄文時代かそれよりも前に、人間とともに日本に渡ってきたと考えられています。
当時、人間は狩猟や採集により食料を得ながら暮らしていました。生命線ともいえる重要な狩りのパートナーとして、犬を利用していたのではないかと言われています。
犬塚の存在
犬塚とは、犬のお墓のことです。
日本各地に、犬を祀った犬塚が存在するのをご存じでしょうか?
動物愛護の考えが生まれてきたのは江戸時代のこと。それよりも以前から、亡くなった犬を他の動物とは別に埋葬したり弔っていたりしていたことが分かっています。
犬を単に狩りの道具として利用していたのではなく、暮らしのパートナー・仲間として受け入れていたのかもしれませんね。
犬の史料から見る人間との関わり
江戸時代には飼育専門書も
犬との暮らしは縄文時代から続いていたにも関わらず、犬に関する史料はあまり多く残っていないそうです。
犬の医学書としては、江戸初期に「犬の書」、中期に狂犬病が流行ったことから「狂犬咬傷治方」と「瘈狗傷考」という医書が刊行されています。
幕末期に犬の飼育書として出版された「犬狗養畜伝」は、愛らしい挿絵が入っていて、犬の病気・ケガや寄生虫の治療法、薬・餌の与え方などが記されています。
さらに犬への愛護の心を説いていて、内容は次の通り。
「この世に生を受けたものみな兄弟。ましてともに暮らし、なつき従う犬はなおさらのこと。犬を飼う人がこの本を参考にし、彼らを愛してくれたらこんなに嬉しいことはない。」
いつの世も、愛犬家の想いは同じですね。
有名な生類憐みの令
誰もが一度は耳にしたことがある「生類憐みの令」は、第5代将軍・徳川綱吉が制定した諸法令です。犬に関しての内容が有名ですが、本来は捨て子や病人、高齢者、そして動物を保護する目的で定められました。
動物は、犬だけではなく、猫・鳥・魚・昆虫にまで及んでいます。
日本で初めて動物愛護を定めた法令です。
日本初の犬供養は縄文時代?
縄文時代の遺跡から埋葬された犬の骨
犬の供養はいつから行われていたのでしょうか。現在では、縄文時代には犬の埋葬が行われていたことが分かっています。
犬が埋葬されていた最古の例として考えられているのが、愛媛県の遺跡から見つかった2体の犬の骨です。
この他にも、日本各地の縄文時代の遺跡で犬の骨が見つかっています。埋葬されていた犬の骨は人間と同じ墓域にあったため、他の動物とは区別されていたと考えられています。
縄文時代は小型犬が中心
これまでの研究から、縄文時代の犬は小型犬が中心だったようです。食用ではなく、狩りや暮らしのパートナーとして犬を飼育していたことが伺えますね。
また富山県の遺跡で見つかった犬の歯は、狩りによるダメージを受けていませんでしたが、シカ・イノシシ・クマなどから犬に噛まれた跡が見つかっています。
犬にダメージの少ない動物の狩りを手伝わせていたのかもしれませんね。
縄文時代の犬と人の絆
縄文時代に埋葬された犬の骨は、死後に切られた跡や他の道具に利用された形跡がないそうです。このことから、他の動物より大切に扱われていたと考えられています。
さらに、骨折を治療していたことを示す骨も見つかっています。当時は、添え木などによる積極的な治療ではなかったかもしれませんが、ケガをして動けなくなった犬にも食事を与え、生かしていたことが分かります。
狩りの道具としてではなく、暮らしのパートナーとして犬を大切に想っていたのかもしれませんね。
犬塚は全国各地に存在する
日本では、宗教的な観念から、動物の命も人間の命と明確な区別をつけずに扱う習慣がありました。そのため昔から、動物の死を弔うためのお墓がつくられています。
「忠犬」や「義犬」といって人間のために忠義をつくしたり命を張ったりする犬を称え、慰霊碑を建てたり、お墓を建てて供養する文化もありますね。
縄文時代から人間とともに暮らしてきた犬。
家庭犬として天寿を全うしたら、お墓を建てて感謝を伝えたいですね。
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