あらいぐまラスカルのようにアライグマは飼育が可能?実は火葬を依頼されている会社も

あらいぐまラスカルというアニメをご存じでしょうか?
ユニークでモフモフのあらいぐまラスカルと、主人公の少年が織りなすハートフルなお話で、世代を超えて愛されるアニメの一つです。
2022年はアニメ放映45周年ということで、イベントなども行われているようですね。
今回は、知っているようで知らないアライグマについて詳しくご紹介したいと思います。
ぜひご一読くださいね。

あらいぐまラスカルってどんなストーリー?

②あらいぐまラスカルってどんなストーリー? あらいぐまラスカルのようにアライグマは飼育が可能?実は火葬を依頼されている会社も

あらすじ

舞台は20世紀初頭のアメリカ、ウィスコンシン州。ハンターに母親を撃たれた孤児のアライグマを、主人公のスターリング少年が保護し、1年間一緒に暮らすというお話です。ラスカルの可愛らしい仕草はもちろん魅力的ですが、当時のアメリカの時代背景や、野生動物と人間の暮らしの関わりについても考えさせられる素晴らしい作品となっています。
アニメでは、スターリング少年と暮らし始めて1年後、ラスカルはパートナーのアライグマと一緒に森に帰るという結末を迎えます。子供向けのアニメですが、野生動物として人とは別の暮らしを選ぶというところが興味深いですね。

ラスカル以外にもたくさんの動物が登場

実は、あらいぐまラスカルの原作『はるかなるわがラスカル』は、自然が大好きな著者スターリング・ノースの実体験をもとに書かれています。
アニメにも、ラスカルだけでなく、カラス、ハクチョウ、小鹿など、いろいろな動物が登場します。
著者の実体験をもとにしているからこそ、野生動物と共に生きる喜びや難しさをリアルに描けたのかもしれませんね。

アライグマはどんな生き物?

③アライグマはどんな生き物? あらいぐまラスカルのようにアライグマは飼育が可能?実は火葬を依頼されている会社も

出身地や生態

今では日本中で生存が確認されていますが、アライグマはもともと北米から中米に分布する生き物です。
ラスカルは明るい黄土色のデザインですが、本来の毛色は灰色から明るめの茶褐色をしていて、しっぽに黒の輪っかがあるのが特徴的ですね。
体長は50センチ前後(しっぽは30センチ前後)で、体重は4から10キロ程度ですが5キロくらいの個体が多いようです。イメージとしては豆柴くらいでしょうか?
雑食性の大食漢で、ラスカルもそうですが特にとうもろこしが大好きです。
休眠して越冬し、野外生活での寿命は5年程度と考えられています。

なぜ日本中にいるの?

では、もとは北米から中米に住んでいるアライグマが、なぜ日本中で確認されるようになったのでしょうか?
原因は、1960年代に動物園で飼育されていたアライグマが脱走したことや、1970年代に起きたアライグマのペットブーム後に、日本各地で飼育放棄や脱走が多発し、野生化してしまったためです。
アライグマは繁殖力がとても強く、日本には天敵の猛禽類もいないことなどから、個体数が増えていったと考えられています。

日本では特定外来生物に指定

本文アライグマは外来生物なので、個体数が増えると日本由来の生態系に悪影響を及ぼします。
競合するタヌキやキツネ、営巣妨害を受けるサギ類の鳥類、捕食される爬虫類や両性類などが影響を受け、自然界のバランスを崩してしまいます。
また深刻なのは農業被害です。特にトウモロコシの被害が深刻で、他にもナス、トマト、エンドウなどの野菜、メロン、スイカなどの果物、さらには養殖魚や家畜飼料も食べてしまいます。アニメでもラスカルが畑を荒らしてお隣さんを怒らせるというシーンがありますが、まさに、その通りなのです。
現在、日本では特定外来生物に指定されていて、駆除の対象となっています。

アライグマは飼える?

日本ではアライグマは飼えない

④日本ではアライグマは飼えない あらいぐまラスカルのようにアライグマは飼育が可能?実は火葬を依頼されている会社も
特定外来生物なので、アライグマをペットとして飼育することはできません。
野生動物であれば人と共通する感染症の病原菌やウイルスを持っている危険性もあります。むやみに保護したり、触ったりしないようにしてくださいね。

アライグマを見かけたらどうしたら良い?

アライグマが自宅に住み着いてしまったというケースもあるようです。そういった場合は、市役所や町役場などに相談してみましょう。
もしアライグマなど野生動物の糞便を掃除するときには、マスクや手袋などの保護具を身に着け、素手で触らないようにしてくださいね。掃除後に必ず手を洗うことも大切です。

アライグマを駆除・火葬する業者がある

⑤アライグマを駆除・火葬する業者がある あらいぐまラスカルのようにアライグマは飼育が可能?実は火葬を依頼されている会社も
農業被害を受けている地区や市の依頼を受けて、アライグマの駆除を行っている業者や、殺処分後の遺体を火葬しているペット火葬業者があります。
愛ペットグループではアライグマの火葬は行っていませんが、火葬処理は公衆衛生を守るために必要なことですね。
また、日本では人の暮らしや生態系を脅かす害獣とされていますが、アライグマも命ある生き物に違いありません。
最後はしっかりと火葬供養することも大切なことだと思います。

ペットを飼うことに責任を持とう

⑥ペットを飼うことに責任を持とう あらいぐまラスカルのようにアライグマは飼育が可能?実は火葬を依頼されている会社も
あらいぐまラスカルは、ラスカルの可愛らしい仕草が魅力的な素敵なお話ですよね。
ですがアニメでも伝えられている通り、アライグマをはじめ野生動物を飼うのはとても難しいことです。
可愛いからと言って安易に飼い始めたため、アライグマのように人も動物も不幸になってしまうケースがたくさんあります。
可愛いから飼わないという、賢い飼い主になる選択も大切なことではないでしょうか。
今年はあらいぐまラスカルのアニメ放映45周年です。
愛くるしいラスカルをとおして、動物と暮らすことについて考える機会になると良いですね。

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岩下ちくわ
大学の農学部で人と動物の関わりについて学び、現在は2匹の元保護犬と暮らす、動物が大好きなライター・ペット栄養管理士です。 犬や猫を初め、動物との暮らしに役立つ情報を、分かりやすくお伝えしていきます。
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