近年では、人間と同様にワンちゃんも長寿化しています。
動物医療の向上やペットフードの進化などがその理由と言われていますが、ワンちゃんが人間の約4倍の速度で年を取るという事実に変わりはありません。
つまりワンちゃんも昔に比べて、高齢になった後の時間が長くなったのです。

高齢になったワンちゃんには、老化現象が見られるようになります。
体の機能の低下はもちろん認知症になるケースもあり、そうなると飼い主さんの負担は増すことになります。
そのため、手放してしまったり、ワンちゃんが自分で遠くへ行ってしまったりといったことも起こっているのが現実です。

ここでは、もしあなたが街で迷子になっている高齢のワンちゃんを見かけたら、どのようにしてあげたら良いのかについてお伝えしていきます。

高齢犬をみかけたらどうしたらいい?

街の中をさまよっている高齢のワンちゃんを見かけたら、どうしたらいいでしょうか?
まず、可能な限り保護してあげましょう。その後具体的にどうするのか、考えてみましょう。

探している飼い主さんのために、役所・警察・保健所へ連絡する

高齢のワンちゃんがさまよっている理由として、何となく外へ飛び出してしまったり、認知症が進んでわからないまま逃げ出したりしていることが考えられます。
その場合は、飼い主さんが心配して探している可能性がありますので、自分が保護していることを知らせます。
連絡先としては、役所(役場)、警察署(派出所)、保健所などです。可能であれば、近所の動物病院やペットショップなどにも知らせ、情報を共有できれば捜索範囲が拡がるかも知れません。

自分で飼い主を探す

保護した高齢のワンちゃんが人に慣れていてリードをつけて散歩ができるようなら、一緒に近所を歩いてみましょう。
犬を散歩させている人や、ペット仲間同士で話しをしている人たちに、心当たりがないか尋ねてみます。

他にも、ワンちゃんの特徴や保護した場所と日時を書いたチラシを作成して近所に配る方法や、ツイッターの迷子犬掲示板に書き込んで情報提供を呼びかける方法などがあります。

飼い主が見つからず、自分で飼う場合

保護したワンちゃんの飼い主さんが現れず、自分が飼うことを希望する場合、届け出をすることで新たな飼い主となることができます。
法律上、迷い犬は遺失物という扱いになるため、警察に届け出た場合、届け出をした3ヶ月以内に(正確には、掲示板に公告後、3ヶ月経過するまでに)元の飼い主さんから返還の申し出がなければ、保護した犬は取得者のものとすることができます。

晴れて自分のペットとして迎え入れることになった場合には、登録と狂犬病予防注射を忘れずに行う必要があります。

迷子の犬を保護するときの方法

保護するときに重要なのは、まず保護する人がワンちゃんに噛まれないこと、そしてワンちゃんが安心できる環境を用意してあげることです。
とは言っても初めて見かけた迷子のワンちゃん、どうやって保護してあげたらよいのでしょうか?

初めて出会う犬に対する基本的な接し方

まず、立ったままで迷子のワンちゃんにやさしく声をかけてみます。
ワンちゃんに警戒感や恐怖感が見られないようであれば、しゃがんで声をかけ続けます。
ワンちゃんが自分から近づいてくるようであれば、人に慣れていて甘えたいと思っている可能性があります。
近づきたそうなそぶりをみせながらも、すぐには寄ってこないワンちゃんもいます。
その場合は、寄ってくるのを待ちながら、手のひらを差し出して声をかけ続けます(ワンちゃんの頭の上に、いきなり手を出すのは避けましょう)。
ここでワンちゃんに触れることができれば、保護が可能な状態と言えるでしょう。
その後は、できればリードなどを使って安全な場所まで誘導します。

時間をかけてもこの段階まで進めない場合は、保護するのは難しいかも知れません。その場合、無理はしないことです。

保護した後にしてあげること

保護した後に、ワンちゃんが落ち着くのを待って、ネームプレートや鑑札など飼い主さんの身元がわかるものがないかを確認します。
首輪の裏などに、連絡先が記してある場合もあります。
ワンちゃんはできれば室内で保護してあげたいですが、難しい場合には安全な場所につなぎます。
自宅にペットがいる場合は、病気感染を防ぐために保護したワンちゃんとは離しておきましょう。
フードや水をあげて落ち着くのを待って、快適な寝床を用意してあげます。
それでも鳴き続けたり落ち着かない場合は、散歩に連れ出してみましょう。
もし、ワンちゃんが怪我をしている、元気がないなどの場合には、可能であれば獣医さんに連れて行ってあげるのがベストです。

高齢犬を自分で飼う場合に気をつけること

保護した高齢のワンちゃんの飼い主が見つからず、自分で飼うことにした場合はどんなことに気をつけてあげると良いでしょうか。

高齢犬にあった暮らし方を考えて整える

犬も人と同じで老化が進むと、若い頃のように体が動かなかったり、目や耳が悪くなったりという変化が現れてきます。よく様子を観察して、ワンちゃんが自分でできることと世話が必要なことを見定めた上で、ワンちゃんにあった暮らしを整えてあげましょう。

足腰が弱っているワンちゃんには、床に滑りにくいシートを敷いてあげる、食事の時に首を下げるのが辛そうにしている場合は、高さのあるフード入れを使うなど、個々の事情にあわせて整えてあげるとよいですね。
また、接するときにはいきなり触るのではなく、目が悪くなっているワンちゃんには特に、前もって体にやさしく触れるなど合図を出してから、なでたり抱っこしたりしてあげるとよいでしょう。

適度な運動を行い、心身の変化に気をつける

散歩は、高齢のワンちゃんにも体力維持のために必要な運動です。もちろん若いときと同様にはできないでしょうから、年齢にあった運動量にしてあげます。
またワンちゃんの体調面だけでなく、心の充実といった意味からも、普段の散歩でお友達のワンちゃんとふれあう機会があるとよいですね。刺激を受けることは、精神的な老化や認知症のケアにもつながります。

自宅では、ボディケアやスキンシップをやさしく行いながら、ワンちゃんの体調と精神面の変化に注意してあげましょう。
普段からスキンシップの時間をたくさんとっていると、ワンちゃんの何気ない体の変化にもいち早く気づくことができますよ。

高齢犬の食事にはシニア犬専用のフードを

まず、高齢のワンちゃんにはその体に適した栄養バランスがあるため、シニア用フードを与えることが大切です。
食欲がないことが続くような場合は、ただ食器にフードを入れるだけでなく、手から直接あげてみたり、ワンちゃんが好きそうなフードに替えてみたりして、食欲を刺激してあげるとよいですね。

たくさんの時間を一緒に過ごす

ワンちゃんは皆、飼い主さんが大好きです。幼いときは一緒に遊んでくれる飼い主さんが、そして老犬になっても、一緒にいてくれる飼い主さんが大好きなことに変わりはありません。
アクティブなことはできなくても、普通の日常をいつも一緒に過ごすことはできます。
共に過ごした何ということのない日常が、ワンちゃんにとっても飼い主さんにとっても、最高に幸福な時間であることは間違いありません。

ペットの終活について

ペットの終活とは、やがてやってくるペットと飼い主さんとのお別れに備えて準備をすることです。
お別れは、ペットもしくは飼い主さんのどちらかが亡くなられた場合にやってきますが、ここでは、ペットの死によって迎えるお別れについて考えます。
飼い主さんの大きな悲しみを和らげるためにも、残された時間の中で行っておきたい準備についてお伝えします。

残された時間の充実した過ごし方を考える

残り少ないペットとの時間の過ごし方を考えます。
具体的には、散歩のコースや時間を増やして思い出の時間をこれまで以上に共有したり、思い出を写真に撮って記録に残したりなど、思いつくことをいろいろ探してみましょう。
一緒に楽しめる新たな時間をつくる、そして後になってそれを振り返ることができれば、互いの癒やしになるでしょう。

ペット保険の加入、又は見直しを考える

今後のペットの老化に備えてペット保険の加入を検討したり、既に加入している内容を見直したりということも、必要に応じて行いましょう。
一般的に、新規の契約は年齢制限がありますが、高齢のペットでも加入できるシニア専用の保険もあります。また、契約の変更時や更新時に年齢制限が設けられていることもあるため、注意しましょう。

緊急連絡先や医療機関の情報をまとめておく

“かかりつけの獣医師さんやご家族の連絡先など、いざという時の連絡先を誰が見てもわかるようにまとめておきましょう。
家族の誰もが対応できると、安心できますね。

ペットが亡くなったときの火葬やお墓について決めておく

まだペットが元気な時から、そんなこと考えたくないわと思われる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、ペットが亡くなると、悲しみに暮れて他のことが考えられなくなる方は少なくありません。
一方で、埋葬の時間がせまり、よく考える余裕がないままに火葬を済ませてしまう方が多いのも実情です。
後になって後悔が残る見送りとならないために、しっかりお別れができる方法を事前に決めておきましょう。
時間に余裕がある時に、ペット火葬業者や霊園へ問い合わせをされて、お別れの仕方や供養の方法についての情報を、得られてはいかがでしょうか。

ペットの終活については、弊社の「ペット供養大百科」の「ペットの終活とは」でも触れておりますので、ぜひご参考になさってください。

https://xn--vsq81f633bhk6a.net/2018/04/09/%E3%83%9A%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%AE%E3%80%8C%E7%B5%82%E6%B4%BB%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%8D/

まとめ

迷子になるワンちゃんは日々発生していて、その中には高齢のワンちゃんも含まれています。
認知症を発症している高齢のワンちゃんが迷子になった場合、よく知っているはずの場所でもわからなくなり、自力で家へ帰るのが困難になります。
迷子のワンちゃんを保護したときは、役所・警察・保健所などへ早めに連絡しましょう。飼い主さんが探しているかも知れないからです。
また、ツイッターやインスタグラムなどを使って、多くの人に情報提供を呼びかける方法もありますね。
もし、迷子のワンちゃんを見つけたらできる限り保護してあげて、一刻も早くお家に戻れるように手を尽くしてあげて欲しいと願います。

そしてペットと暮らす人に必ずやってくるお別れの時のために、ペットの終活についてもぜひ考える時間を持っていただければと思います。今回の記事がそのきっかけになれば幸いです。