志村けんさんと愛犬殿くんとの絆。ペットが遺された時のために飼い主ができること。

2020年に亡くなった国民的コメディアンの志村けんさん。愛犬家としても知られ、当時も二頭の犬と暮らしていました。
志村さんが亡くなった後、愛犬たちはどのように暮らしているのでしょうか?
今回は、志村さんの愛犬の一頭で、殿くんという柴犬のその後を追いながら、もしもの時のために愛犬の命を守る準備について、ご紹介します。

殿くんについて

 志村けんさんと愛犬殿くんとの絆。ペットが遺された時のために飼い主ができること。

志村けんさんとの出会いは?

殿くんと志村さんは、2010年にTV番組の収録で出会いました。
収録で静岡県にある柴犬のブリーダー犬舎を訪れていた志村さんは、殿くんに出会った瞬間、この子だ!と感じたそうです。その後、殿くんは9年間志村さんと暮らしました。

遺された殿くんの反応

志村けんさん2020年の3月、新型感染症による肺炎で亡くなりました。
殿くんは、志村さんが亡くなってから約一週間、玄関で志村さんの帰りを待ち続けたそうです。寝室に潜り込んで、志村さんの匂いが付いた布団から降りなかったというエピソードもあります。
さらに、大好きな志村さんに会えなくなったストレスからか、一緒に暮らしていたもう一頭の犬との喧嘩が増え、食事も拒否するようになってしまったそうです。
飼い主に先立たれたり飼育放棄されたりした犬は、その不安と孤独から生きることを諦めてしまうような行動がみられることがあります。殿くんにとっても、志村さんは生きる希望だったのかもしれませんね。

今はどうしてる?

志村さんは入院するとき、家政婦の一人の方に犬たちのお世話を頼まれていました。
常日頃から、もしも自分に何かあったら犬たちを頼む、とも言われていたそうです。
志村さんが亡くなられたあと、志村さんの関係者の方の後押しもあり、その方が殿くんを引き取られました。殿くんはたくさんの愛情をもらって、次第に元気を取り戻していったようです。
残念ながら、殿くんは血液のガンで亡くなってしまいましたが、最後まで人の温かさを感じながら暮らせたことは、本当によかったと感じます。

志村けんさんと犬たちの暮らし

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志村さんは基本的には、ご自身で犬たちのお世話をされていたそうです。
中でも、お散歩は一頭ずつで、それぞれ1時間くらいは行かれていたとか。志村さんのインスタグラムに投稿されているお散歩中の様子を見ても、とても可愛がっていたことが分かります。
仕事上、家を空けることも多かったようですが、家政婦の方に依頼したり、ペットホテルなどを利用したりして犬が長時間ひとりぼっちにならないように配慮されていたそうです。

ペットが遺されるときのためにできること

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信頼できる人に頼んでおく

ペットを飼い始める前に、自分のほかに飼い主になってくれる人は見つけましたか?
両親や兄弟がいるから大丈夫と思っていても、いざというときに受け入れてもらえず、行政や民間の保護団体に預けられてしまうケースはめずらしくありません。
高齢の飼い主の方が亡くなったり、長期入院になったりして飼育放棄に至るケースも増えていますし、若い人でも一人暮らしなら飼えなくなってしまうリスクは十分にあります。
ご家族様でなくても構いません。信頼できる人を見つけて、必ずきちんと話しておいてくださいね。できればメモでも良いので書面で残しておくと、他の人も知ることができて対応しやすくなります。

ペット信託を利用する

やむを得ない事情でペットと暮らし続けることができなくなったときのために、ペットとお世話のためのお金を、契約した人に委ねられるペット信託があります。
あまり聞き慣れないかもしれませんが、飼い主がペットの命を守るための選択肢として、少しずつ広まってきていますよ。
NPO法人などが行政書士と連携して取り組んでいるケースが多いようです。インターネットで検索してみてくださいね。

互助会を利用する

飼い主がペットのお世話をできなくなった時、かわりにペットを終生飼育するための活動を行ってくれる互助会制度があります。
同じ想いの人たちが支え合う制度ですので安心感がありますね。活動はまだ全国的ではありませんが、こちらも賛同する人が増え、少しずつ輪が広がり始めています。

SOSカードを用意しよう

ペットのSOSカードをご存じでしょうか?
飼い主に何かあった時、自宅にペットがいることを知らせるカードです。
もしペットを飼っていることを誰も知らなかったら、ペットは自宅で餓死してしまうかもしれません。
インターネットで検索すれば、いろいろなフォームのSOSカードが無料でダウンロードできます。ぜひ用意しておきたいですね。

ペットの一生を守ってあげるために

 志村けんさんと愛犬殿くんとの絆。ペットが遺された時のために飼い主ができること。
志村けんさんは愛犬家として、親しかった家政婦さんに犬たちのことをしっかりと依頼されていました。
病気や事故は誰でも起こる可能性があります。ペットを遺してしまう状況になったとき、ペットの命と暮らしを守るために、ペット信託や、互助会への加盟、SOSカードの携帯など、具体的に準備しておくことが大切ですね。

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岩下ちくわ
大学の農学部で人と動物の関わりについて学び、現在は2匹の元保護犬と暮らす、動物が大好きなライター・ペット栄養管理士です。 犬や猫を初め、動物との暮らしに役立つ情報を、分かりやすくお伝えしていきます。
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